映画『永遠の待ち人』の公開記念舞台挨拶が6月7日に池袋シネマ・ロサで行われ、出演者の永里健太朗、北村優衣、高崎かなみ、メガホンをとった太田慶監督が登壇した。
本作は、ドストエフスキーの小説『白夜』をモチーフに東京を舞台に製作。「男にとって仕事は大事」と妻をなおざりにした結果、妻が去った主人公・泰明役を永里健太朗、主人公の妄想の中の妻・麻美を高崎かなみ、永遠の愛を心から信じ、帰ってこない恋人を3年も待ち続けるヒロイン・美沙子を北村優衣が演じた。

自身が演じた役について、永里は「泰明の人間性は自分と近いところもあれば、妻をなおざりにするところは自分にはない部分だったので、精神的に疲労感があった」と苦労を吐露。
本作が初めての夫婦役の高崎は「麻美ってメンタル的に陰なのですが、普段私はめっちゃ明るいので、役作りをしなくてはいけないと思って、撮影の数日前から友達との連絡を絶ちました。部屋もカーテンを閉め切って真っ暗にして、自分から鬱に持っていきました」と裏での努力を明かした。
北村は「泰明から見て、美沙子はどうなのか、どうあってほしいのかを探していくことで、美沙子が見つかるんじゃないかと思った。哲学的なセリフが多かったので、無駄なものを省いていくという作業をするのが難しかった」と語った。
劇中のシーンについて、太田監督が「北村さんの特技がバスケットボールと書いてあったので、バスケットのシーンを入れたけれど、3ポイントシュートはいくら特技でも1発では決まらないだろうと思って、何回かやってもらって、成功したテイクを使おうと思っていたら、ものの見事に1発目で決めて、びっくりした」と裏話を披露。北村は「特技って書いてあるんですけれど、中学校では遊びのバスケはしていたんですけど、実は小学校止まり」と暴露した。
高崎が紙飛行機を折るシーンの撮影では、監督が「(高崎が)『紙飛行機の折り方がわからない』となっていた」と裏話を披露すると、高崎は「幼稚園生の頃にやった記憶はあるんですけれど、久々にやってみたら、『どうやってやるんだっけ?』となって、教えていただきました」と弁解。「風がすごくて紙飛行機が全然うまく飛ばなくて、やっと10数回目に綺麗に飛んだと思ったら、目の前のマンションのベランダに入っちゃって。紙飛行機が知らない人の家に入ってしまったので、そこの住人さんは『何これ?』ってなっていたと思う」と明かしていた。
また、劇中の美沙子が3年も恋人を待ったことについて、自分もできるか聞かれた高崎は「本当にその人しかいないとなった場合は、待てるのではないか」と回答。北村は「待てないですね。ごめんなさい。カップラーメンの3分ですら急かしたいくらいせっかちなもので」と答え、回答が真っ二つに分かれていた。



最後に高崎は、「この『永遠の待ち人』がたくさんの人に観ていただいて、さらに愛していただけたら嬉しいです。何度でも観ていただけたら嬉しいです」、北村は「映画は映画館で観るのが一番なので、たくさん楽しんでいただけたらなと思います」、永里は「私自身この映画を3回観て、また違う解釈や捉え方ができて、さらにこの映画の深みを知ることができた」と複数回の鑑賞を薦めた。太田監督は、「サラリーマン生活を何年も続けてきて、思っている想いや人生についてのことをいろいろ盛り込んでみたので、考えるテーマがいっぱいあると思う。この映画についてみなさんで語り合っていただければ」とメッセージを送った。

