映画『ナミビアの砂漠』ジャパンプレミアイベントが8月22日にTOHOシネマズ日比谷で行われ、主演の河合優実が、共演の金子大地、寛一郎、メガホンをとった山中瑶子監督と共に登壇した。
現代日本の若者たちの恋愛や人生を鋭い視点で描いた本作は、19歳で『あみこ』を発表し、史上最年少でのベルリン国際映画祭出品を果たした山中瑶子監督の最新作。主演の河合優実は、その『あみこ』を観て衝撃を受け、監督に「いつか出演したいです」と直接伝えに行ったという。才能あふれる2人の夢のタッグが遂に実現し、本作は今年のカンヌ国際映画祭でも絶賛され、国際映画批評家連盟賞を受賞。カンヌでのワールドプレミア、上海国際映画祭でのアジアプレミアでの絶賛を経て、ついにジャパンプレミアの日を迎えた。

河合は満員御礼の会場を前に「本当に本当に皆さんにこの映画を見てもらえることが楽しみで待ちきれない作品でした。この日を無事に迎えられて、お一人お一人に作品を届けられることに嬉しい気持ちがあります」と感慨無量の様子で挨拶。
登壇メンバー全員が参加したカンヌ国際映画祭についても「カンヌにみんなで行けたことで、撮影前よりも仲が深まった感じがありました。上映も観客の皆さんの反応がダイレクトに伝わってきたので、自分たちが面白いと思って作った作品が海を越えても伝わるんだと驚いたし嬉しかったです」と喜びを爆発させた。

高校時代、河合は映画館で観た山中監督の『あみこ』に感銘を受け、女優になる事やキャスティングして欲しい旨をしたためた手紙を山中監督に渡していたという。そんな念願の初タッグに河合は「そこから5年くらい山中監督とは一度もお会いすることはなかったけれど、今回一緒に映画が作れる事になって…。当時の自分に伝えたらビックリするだろうと思います」としみじみ。山中監督も「この5年間で河合さんの事を映画などで見かけるようになって、あの約束はまだ効いているのかなと。かなりお待たせしてしまいましたが、脚本を書く前の段階から河合さんの存在には背中を押されていたので、“感無量”という言葉を今初めて使いたい気持ちです」と相思相愛を表すと、河合も「良かったです、どちらかが忘れているとかではなくて相思相愛で」とはにかんだ。
浮遊するように東京で生きる21歳のカナを演じたことについて、河合が「人の話を聞いていないところ」に共感したと明かすと、山中監督は「脚本を書く前にヒントを得たくて河合さんに『自分の嫌なところはありますか?』と聞いたら『人の話をたまに聞いていない』と言われた」と河合のパーソナルな部分を役柄に反映させたと告白。山中監督から「でも河合さんが聞いていないとは周りの人は気づかないはず」と指摘された河合は「そうですね…。聞いているかのような顔をしてたまに聞いていないところがあります」と恥ずかしがりながら認めていた。


またイベントでは、“自分自身にキャッチコピーをつけるとしたら”というテーマでフリップトークを展開。金子は『陽気な小心者』、寛一郎は『天邪鬼でわがままな飽き性』と発表したのに対し、河合は『プロクラスティネーター』と聞き慣れない横文字で発表。寛一郎に「はい?プラズマクラスター?」といじられる中、河合は「最近家族に教えてもらった言葉で、先延ばし癖のある人の事をそう呼ぶそうです。横文字なのでキャッチコピー風にしちゃいました」と解説した。これに寛一郎と金子が「だったら俺もプロクラスティネーターだ」と自らの属性も同じだと主張すると、山中監督も「私が一番そうかもしれない。だってずっと脚本を待たせていたわけですからね」と言い、全員がプロクラスティネーターを自称する展開となった。



最後に河合は「私にとって『ナミビアの砂漠』は思い入れのある作品で、スタッフ・キャスト全員も作品への愛が強くてみんなで楽しく自由に作りました。そんな作品を多くの皆さんに見ていただけるのは幸運なことだと思います。皆さんには心をまっさらにしてもらって、それぞれの楽しみ方で見ていただければ、ビックリしていただけると思います。上映を楽しんでください」と呼び掛けた。


映画『ナミビアの砂漠』
9月6日(金)より全国公開
配給:ハピネットファントム・スタジオ
©2024『ナミビアの砂漠』製作委員会