映画『霧の淵』の公開記念舞台挨拶が4月20日にTOHOシネマズシャンテで行われ、主演の三宅朱莉(15)、共演の水川あさみ(40)、三浦誠己(48)、堀田眞三(78)、村瀬大智監督(27)、エグゼクティブプロデューサーの河瀬直美(54)が登壇した。

本作は“若手クリエイターの台頭”と称される村瀬大智監督の長編商業映画デビュー作。実在する老舗旅館を舞台に、変化を迎えた家族の時間を美しく描く。
オーディションでイヒカ役に抜てきされ、映画初出演で主演を務めた三宅は、大勢の観客のいる舞台挨拶は初めてで、立ち位置もセンター。「両端にこんなにレジェンドの人たちがいてヤバいです。めちゃくちゃ緊張していますが、頑張ります」と初々しい表情を浮かべ、「いまだに舞台に立っていることも実感がなくて、まさか自分が受かって撮るとは思っていなかったので、すごい感慨深いです」と喜びを語った。

村瀬監督は「オーディションでたくさんの子と会って、みんな目がキラキラしているのに一人だけつや消しみたいに真っ黒だった。その時からこの子で撮るんだろうと思った」と起用理由を説明。「カメラの前に立つとイヒカの感じになって、毎日感心し驚きを与えられていた」と評価した。

母親役の水川は「顔つきも撮影時とは全然違う」と三宅の成長を認め、共演を経て「とてもフレッシュで、そこに立っているだけでイヒカの存在感をまとっていた。余計なことをしなくても、それだけで素晴らしくまぶしいなと思いながら、お芝居していました」と三宅を絶賛した。

父親役の三浦は「三宅さんは、素敵な存在感で現場にいてくださって、水川さんが特に現場を明るい雰囲気にしてくださったから楽しくて。一緒にしいたけ焼いてくださったり、犬の散歩するのを、僕がかわいいなと思って眺めていました」と、三宅との撮影を振り返った。

三宅は「現地の子どもたちと遊んだり、監督にダムへ連れて行っていただいたり、本当にイヒカと同じ生活をしていました。それがあった上で、水川さんたちが支えてくれて、イヒカが作り上げられたんじゃないかと思います」と感謝と自信も口にした。

本作では、川上村に監督自ら単独で長期滞在。現地の人々との交流から作品のインスピレーションを得て、どこか懐かしく、親しみのある目線で”家族の物語”を描いた。この時代だからこそ残したい”時間”が丁寧に切り取られて映し出され、ブルガリアのソフィア国際映画祭メイン部門インターナショナルコンペティションにも選出されている。

映画『霧の淵』
全国順次公開中!
配給:ナカチカピクチャーズ
©2023“霧の淵”Nara International Film Festival