短編映画製作プロジェクト『MIRRORLIAR FILMS Season6』の初日舞台挨拶が12月13日にヒューマントラストシネマ渋谷で行われ、『男と鳥』より浅野忠信監督、阿部進之介、田中一平、『カフネの祈り』より増田彩来監督、伊礼姫奈、『サン・アンド・ムーン』より企画、監督、脚本、出演を務める岡本多緒監督、『FAAAWWW!!!』より鬼木幸治監督が登壇した。
伊藤主税、阿部進之介、山田孝之らがプロデュースする『MIRRORLIAR FILMS』は、メジャーとインディーズの垣根を越えて映画を作り上げる短編映画制作プロジェクト。「Season6」は、小栗旬監督作「1/96」、浅野監督作「男と鳥」と、一般公募作となる「サン・アンド・ムーン」「FAAAWWW!!!」「カフネの祈り」の5作品で構成されている。

浅野監督作『男と鳥』は、ゾンビ侍に飛べない鳥、神などが登場するなど、摩訶不思議な世界観が印象的な作品。
本プロジェクトに参加するきっかけについて、浅野は「阿部さんとはカナダで『SHOGUN 将軍』というドラマを⼀緒に撮っていたんですが、僕の部屋のちょうど真上が阿部さんで。それで二人でよく⾷事をしたり、お茶を飲んだりしていたんです。そこで阿部さんの短編を⾒せていただいたり、僕が撮ったものを⾒せていただいたりしているうちに、短編を撮らないかと⾔っていただいて。撮らせていただきました」と説明した。
本作に登場する“ゾンビ侍”は、『SHOGUN 将軍』からインスパイアされたものだったそうで、「戦闘シーンで亡くなった侍さんもいるわけで。そういう⼈たちがゾンビ侍として蘇ったらいいじゃないか、といった話をしていました」と振り返った浅野。阿部も「そしたら次の⽇の浅野さんのInstagram に、ゾンビ侍の絵を描いて載せていたんですよ。めっちゃ気に⼊ってるじゃんと思って。帰国してから短編の話をした時に、男をゾンビ侍にしようということで、そこから派⽣したキャラです」と明かした。そしてその“ゾンビ侍”を演じた⽥中は、「浅野監督の現場は最⾼に楽しくて。本当に夢のような時間だった。浅野さんは映画の楽しさをみんなに教えてくれた」と笑顔で振り返った。
本作は、浅野にとって15年ぶりの監督作となるが、未だに長編映画作はないそうで「俳優さんがセリフを言ってるような映画は撮ったことないんで、ぜひ一度チャレンジしたいと思っています」と、さらなる監督業への意欲を見せた。



『サン・アンド・ムーン』の岡本監督は、「わたしはアメリカで俳優として活動していたんですが、2023年から⽇本に住むようになって。こっちで俳優としてやっていきたいなという⽬標ができました。その時に皆さんに観ていただく資料として、⽇本語でお芝居をしているものがないことに気付いて。それを先につくろうというアイデアから始まった映画。でもいざつくってみたら映画づくりの楽しさに気付いてしまい、のめり込んでしまった。だからもともとはお客さまに観ていただくつもりでつくったものではなかったんですけど、こういう形で劇場で公開していただくことになって。本当に夢のように思っています」としみじみと語った。

「FAAAWWW!!!」の⻤⽊監督は、「この映画は本当に⼿づくりというか。撮影も編集も監督もVFXなども全部一人でやっていて。まさか河原で撮影した作品がこんな⽴派な場所で上映されるとは思っていなかったので、本当にうれしいですし、驚いています」と感激の表情を浮かべた。

『カフネの祈り』の増⽥監督は、「この作品はわたしにとって初監督作で、⾃分の経験をもとにはじまった作品です。死を描くのではなく、どう⽣きるのかを⾒つめてつくった、祈りのような作品です。皆さんに届いたらうれしいなと思います」と呼びかけた。

『カフネの祈り』で主演の伊礼は、「彩来さんの映像作品にかかわることができてうれしかったです。井浦新さんをはじめ、素敵なキャストの皆さんと⼀緒にお芝居をすることができて幸せでした。この作品は別れの悲しさだけを描いた作品ではないなと思っていて。だからこそ、⾒終わった後にやさしい何かで包み込んでくれるような温かい作品だなと思っていて。彩来さんが祈りをこめてつくったこの作品が、皆さまのものになったらいいなと思っています」と期待を述べた。


『MIRRORLIAR FILMS Season6』
公開中!
配給:アップリンク
©2024 MIRRORLIAR FILMS PROJECT